私は、サラリーマンから起業をして、

現在セミリタイア生活を送っています。

その経験を通して、

サラリーマンから、セミリタイアにむけて

進めていく道筋について

私の考え方を書いてみたいと思います。

 

これは

「夫婦でセミリタイアのためのバランスシート」における

「セミリタイア収入」側の資産構成をどうするかと

いった内容となります。

 

 

まずは、

家計の保有資産として、

大きく分類すると一般的に

 

 

1.不動産

2.金融資産

3.所得を生み出す人的資本

 

とに分けられます。

これらの保有資産をそれぞれ、

分解してみると、

 

1.不動産は、

自分用、か、投資用

2.金融資産は、

リスクの低いもの、か、リスクの高いもの

3.所得を生み出す人的資本は、

サラリーマン所得、か、非サラリーマン所得

になります。

 

 

これまで、

普通(?)の日本人サラリーマン世帯は、

どのような資産構成で

家計を運営していたのでしょうか?

 

 

多くの世帯が選択していたのは、

 

1.不動産は、自分用

2.金融資産は、リスクの低いもの

3.所得を生み出す人的資本は、サラリーマン所得

 

といった保有資産の構成。

 

どうやら、この保有資産構成は

サラリーマン世帯にとって、

案外、理にかなっていたのかもしれません。

 

これらの資産は本来、連動性が高く、

景気が上向くと、

不動産価格上昇、賃金上昇、金利上昇

景気が下向くと、

不動産価格下落、賃金下落、金利下落

になりやすいといえます。

 

 

このことを前提に

1~3の保有資産について

個別にみていきます。

 

 

まずは、

「1.不動産は、自分用」

の状態での

不動産価格の上下について。

 

景気が上下したとしても、

不動産は、自分用なので、

不動産価格の上下は、

そこに住み続ける限り、ほとんど影響をうけない。

 

それは、不動産価格の相場が高い時に

チャンスと思って自宅を売っても、

次に住み替える自宅も

同時に値上がりしているから。

 

そこで、不動産相場の地域差を狙って、

値上がり(値下がり)が遅れている地域に

買い替え先を求めることはできるのか?

 

 

これについても、

人的資本のもとになる所得は

サラリーマン所得なので、

売る自宅、買う自宅ともに

勤務先を中心とした立地に限られる。

 

たとえ、地域によって

不動産相場の温度差が生じていたとしても、

首都圏に勤務していて、

首都圏以外に住み替えをする可能性は低い。

 

結局、不動産価格の上下については、

ほとんど影響がないことになる。

 

ただ、含み益(損)の発生で、

あまり意味のない皮算用(笑)をしたりと、

心理面に影響をあたえるくらいかと・・・。

 

次に、

 

2.金融資産は、リスクの低いもの

の状態での

金利の上下について。

 

金融資産の金利が上下するのにあわせて、

残念なことに負債の金利も上下する。

 

ほとんどの家計では、自宅購入時、

住宅ローンを組むため、

負債を持つことになる。

 

金利の上下にあわせて、

金融資産と負債とを相殺する行動

(借り換え、繰上げ返済等)をとるなら、

金利の上下の影響を打ち消しにむかう。

 

ただ、自宅購入直後は、

負債(住宅ローン)>金融資産

の状態なので、相殺する行動をとるためには、

購入後の家計のコントロールが必要になる。

 

その結果、リスクの低い金融資産を

積み上げていくことで、

負債の金利上昇への備えにする。

 

これは、現在のとるべき行動ともいえます。

 

 

過去の経済成長期、

実際には、賃金の上昇(ベースアップ)と並行して

ローンを組んでしまえば、

インフレによる借金の‘目減り’

が続くという幸運な環境下にありました。

 

そのため、自宅購入直後の

負債(住宅ローン)>金融資産

の状態のまま何もしなくても、

インフレによる金融資産の目減り

よりも、負債の目減りの方が大きいことになる。

 

サラリーマンを続けながら

ローンさえ返済していれば、良かったのです。

 

インフレにより金融資産が‘目減り’

してしまう環境下では、

住宅ローンというレバレッジをかけて、

負債の‘目減り’を狙う方が

合理的選択だったといえます。

 

つまり

「2.金融資産は、リスクの低いもの」

だったのは、

「1.不動産は、自分用」

でレバレッジをかけていたから。

ともいえます。

 

 

そして最後に、

3.所得を生み出す人的資本は、サラリーマン所得

の状態での

人的資本(賃金)の上下について。

 

賃金は、定期昇給との合わせ技

(巧みに初任給を低くし、年齢の上昇にあわせて、

少しづつ昇給させる)や退職金で、

下落を実感させない。

 

(このモデルは崩れかけていますが)

 

 

つまり、

日本でサラリーマンをしていた日本人は、

1.不動産は、自分用

2.金融資産は、リスクの低いもの

3.所得を生み出す人的資本は、サラリーマン所得

 

 

といった保有資産の構成により、保有資産は、

偶然なのか、意図的(人智?)なのか、

うまくリスクヘッジできていた。

 

 

これらの資産は本来、連動性が高いのですが、

幸運にも、戦後の混乱期から、経済は、

右肩上がりで成長していたので、

バブル崩壊まで、

1,2,3どれも大きく下がることはない、

ために

 

3.所得を生み出す人的資本は、サラリーマン所得

に集中していれば良かった。

現在は、3のシステムが不安定になり、

1.2は上下の変動が現れているが、

それでも、

サラリーマン生活を選択し、

この保有資産の配分を適切にコントロールできれば、

安定的な家計にできる。

 

安心感のある資産構成といえます。

 

 

安定的な家計運営。

その基本は、

3.所得を生み出す人的資本は、サラリーマン所得

なのですが、

 

ここで、何らかの思惑をもった人が、

セミリタイアを目指すとすると、

 

家計運営の柱ともいえる、

3.所得を生み出す人的資本は、サラリーマン所得

を手放すという

大胆行動(笑)にでることとなります。

 

さて、この思惑をもってしまった人は、

セミリタイアするためにどうする必要があるのか。