●なぜ、私たちはセミリタイアを考えるのか?
お父さんたちは、終身雇用、年功序列賃金というシステムが盤石に機能していて安心・安全なシステムと考えていたので、
そこから外れるセミリタイアにはあまり関心がなかったのかもしれません。
しかし、長期間にわたって盤石に機能していたシステムがほころび始めます。
バブル崩壊後、終身雇用、年功序列賃金が崩れ、退職まで企業が存在しているか確信できなくなります。
一方、経済のグローバル化が進み、企業は、グローバル競争の中でどうやって生き残っていくかを模索しはじめるようになります。
海外の安い労働力に支えられたグローバル企業に対抗するため、
企業は、入社から退職まで、長期にわたって人を囲い込むことをリスクと考えるようになり、
採用を非正規社員等にシフトしていきました。
また、国は、少子高齢化が進み、社会保障費が増大。
年金制度も問題点などもあり、受給開始年齢の引き上げ、受給額の引き下げが進められています。
世帯構成でみてみると、1965年から90年位の25年位は
高度経済成長モデル世帯ともいえる4人世帯が世帯構成で一番多かった。
それが、2010年には、単独世帯と夫婦のみ世帯で50%を占めるようになります。
様々な家族のありかたが現れてくるようになりました。
いままでは、ライフプランについてそれほど考えなくても良かったのですが、
皮肉にもそのシステムがほころぶことで、
「お手本」がなくなってしまい、自分(家族)をみつめる必要が生じるようになりました。
リタイアまで面倒をみてくれる仕組みがなくなってしまったのです。
そのため、私たちは、自分でライフプランを考える必要がでてきたのです。
どのように働くのか、どのように生活していくのかといったことを考えなければならなくなりました。
つまりワークライフバランス。
セミリタイアという考え方が広がってきているのは、いままでのシステムは機能が弱まり、自分(家族)のオリジナルの「幸せのシステム」を作りだそう。
という流れの一部なのかもしれません。
私が面白いと感じるのは、
自分(家族)のライフプランを考えることで、
セミリタイアの可能性を見つけられるようなっているということ。
セミリタイアについて考えることは、
仕事に対する取り組み方と、自分(家族)の幸せを考える、良い機会ではないでしょうか?